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兵庫県高砂市|地域の”心の拠り所”を目指し、日本文化を後世に残す【高砂神社】 (兵庫県高砂市 × 祈願)

兵庫県高砂市|地域の”心の拠り所”を目指し、日本文化を後世に残す【高砂神社】

高砂神社

小松 正侑 禰宜

神社

夫婦和合や長寿繁栄の神社として地域の皆様に親しまれている【高砂神社】

インタビュアー: まずはじめに、高砂神社様の歴史を教えていただけますか?

小松 正侑 禰宜:内容が難しいので、簡単にお伝えできるかが分からないのですが...

古事記、日本書紀(以下、記紀)※に"三韓征伐伝説(さんかんせいばつ)"という、神功皇后(じんぐうこうごう)が、「朝鮮の新羅(しらぎ)を支配下にさせよ」という御神託※を受けたことがきっかけで起きた戦乱の記述があります。
記紀では、「神功皇后は、大己貴命(おほあなむちのみこと)という神様の助けを得て、新羅軍に討ち勝った」という記述がありまして、御神託を頂いた神功皇后は、戦の帰路に国家鎮護※のため、大己貴命を兵庫県一帯に数多く祀られました。
その大己貴命が祀られた神社の一つが、高砂神社になります。

この出来事からしばらく経った平安時代の970年頃、地域で疫病が流行り、氏子※住人たちを苦しめました。
そんな時に、無病息災の霊験あらたか※な素盞嗚命(すさのうのみこと)とその妻、奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)という神様を併せて祀ったところ、疫病が収まり、これに喜んだ氏子たちは素盞嗚命(すさのうのみこと)と奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)へお礼参りをするようになり、無病息災の神社として、高砂祇園社の名でも知られるようになりました。

その後、高砂神社は高砂城築城のため移動を余儀なくされましたが、1615年の一国一城令により高砂城が廃城となり、当時の姫路藩主である本多忠政(ほんだただまさ)が高砂神社を本来あった場所に戻すようにと社領を寄進し現在の境内に落ち着いた形になります。

以上が高砂神社のおおまかな歴史になります。

※記紀(古事記と日本書紀の総称)
※御神託(神のお告げ)
※国家鎮護(国を災いから遠ざけ、安泰にすること)
※氏子(氏神様を信奉する人々のこと)
※霊験あらたか(大変ご利益があるさま)

インタビュアー:小松様が神職を志したきっかけをお伺いできますか?

小松 正侑 禰宜:神職の家庭に生まれ育ったことが一番のきっかけになりますね。
高砂神社は、代々小松家が神職としてご奉仕してきた神社なので、私もいずれ高砂神社でご奉仕するんだろうと、子供の頃から思っていました。
ただ、具体的に神職になろうと意識したのは、大学進学の頃になりますね。
神職になるには、専門的な資格が必要になるので、自身の進路を明確にし、しっかり方向性を定めて大学進学をした頃が神職になることを決心した時期でもありますね。

インタビュアー:神職を行っていて驚いたことや大変なことなどはございますか?

小松 正侑 禰宜:実は、驚いたことは特に無いんですよ。
神社という環境下で育ったこともあり、神社の一年のサイクルを日々、肌感で感じていたので、幼いころからの経験と神職となって別の神社様で奉職させていただいた実務経験を生かして、柔軟に対応させて頂いております。

ただ、以前務めていた神社様が大きなところだったので、当社のように"地域に根差す神社の維持"は大変だなと感じています。
神社というものは、我々神職の考えだけで維持できるものではなく、その地域に根差し、氏子崇敬者の皆様の支えがあって初めて維持が出来ます。
地域の氏子の皆様のご協力と理解が無いと神社の維持が出来ないので、まずは"100年先までこの姿のまま神社を残していけるのか"を考えながらご奉仕しています。

きっとこれまで通りでは、今の高砂神社として在り続けていくことは出来ないと感じているので、変えてはいけない部分を守りながら、でも、後世に残すために変わっていかないといけない部分は変えていく必要があると感じています。

これは本当に難しい課題だとは思うのですが、高砂神社の維持、尊厳護持、本質的に変わらず後世に残る神社としていくということにとてもやりがいを感じています。

良縁も健康も心願成就には強い想いが必要

インタビュアー:ご参拝される方の特徴をお伺いできますか?

小松 正侑 禰宜:縁結びと和合長寿のご利益、また庶民の結婚式の発祥の地の一つとされていますので、一昔前は高砂神社で結婚式を行われる方がたくさんいらっしゃいました。
今は神前式を行われる方が少なくなりましたが、当時当社にて祝言を挙げられた方が金婚、銀婚といった節目にお参りをしてださっております。
また、現在の情勢になってからは、無病息災や健康長寿を願われる方も多くいらっしゃる印象があります。
縁結びの神社として、また祇園社、無病息災のお社として当社のことをもっと多くの方々に知っていただきたいと考えております。

インタビュアー:パワースポットがあるとお聞きしたのですが、詳しくお伺いできますか?

小松 正侑 禰宜:もともと神社というもの自体がいわゆるパワースポットと呼ばれてはおりますが、特に皆様に喜ばれているのが、”相生松”という松の木です。
松の木には雄松(黒松)と雌松(赤松)がありまして、本来は雄松と雌松は同じ環境下で生えることが出来ないのですが、当社の松は奇跡的に一緒に寄り添って生えているのです。
その様子がどんな悲劇や困難が訪れても決して離れることのない男女のようだということで、夫婦円満や縁結びの象徴として言い伝えられており、当社のパワースポットとして愛されております。
こういった理由もあり、相生の松のそばで結婚式を挙げられる方もいらっしゃるのですよ。

インタビュアー:ご参拝される方で、印象に残ってる方はいらっしゃいますか?

小松 正侑 禰宜:そうですね...。
印象に残っている方のお話とは異なるのですが、我々神職が思う以上に、ご参拝してくださる方々の神様に対する想いは計り知れないと感じております。
心願成就という”ご参拝者様の願い事が叶いますように”と祈る御祈祷があるのですが、ご参拝者様の願い事は、我々には伝えられないことがほとんどです。
なので、ご参拝者様はどんな願いをお持ちなのかは分からないのですが、御祈祷を終えられたあとは、成就に向け、皆様気持ちを引き締められるので雰囲気が変わりますね。
そして暫く経った頃に、「心願成就の際にお願いしたことが叶った」とご報告に来てくださるご参拝者様が多くいらっしゃいます。
こういった姿を見ると、神社へのお詣りは、神様にお願いし、お力を借りるということもございますが、自身の気持ちを新たに、心機一転する一つのきっかけにも成りうるということを改めて感じます。

皆様の強い想いや切実な願いが神様に届き、それが叶うと私自身も嬉しく思うとともに、是非、皆様にも祈る心、想う心を持って日々をお過ごしいただきたいです。

インタビュアー:神職という職業から見た神様に対する想いをお伺いできますか?

小松 正侑 禰宜:何か願いごとをする時、"神頼み"という言葉があるように、最終的に行きつくところは、神社であり、神様なんだと思います。また、神社神道は、日本文化の特徴でもあると考えています。
何か自身では解決することが難しい問題に直面した時に、神様に祈るということは、日本人の心の中にずっと根付いているものであり、人々が困ったときの心の拠り所となる存在だと思います。
そして神社は、結婚式や七五三などの晴れの場としての役割もあります。
なので、皆様の晴れの舞台、人生の節目節目をお祝いできる場所として共にあり、皆様の人生を見護る事も神社の意義であると思います。
特に今は、核家族化が進んでいるので、家族との関わりやつながりを忘れずにいられる場所として、神社はあるのかもしれないと思っていますね。

日本の歴史を知っていただき、神社が身近な存在になって欲しい

インタビュアー:小松様流の神社を楽しむコツはございますか?

小松 正侑 禰宜:日本の風土や歴史を蓄えてから足を運んで頂くことが、神社を楽しんでいただくコツになりますね。

例えば、古事記や日本書紀などを一度読んでいただくと世界観や雰囲気、背景までを知ることができます。
私自身も歴史を知ることで、神社や神様の見方がガラリと変わった経験がありますので、ぜひ読んで頂きたいです。
また古事記や日本書紀と聞くと、難しい歴史書のようなイメージをお持ちの方が多くいらっしゃると思うのですが、古事記や日本書紀は、昔話のようなもので、面白く、そして楽しく歴史を学べるはずですよ。
最近は、現代語訳版の歴史書物が書店に並んでいますので、お手に取って頂き、歴史を知っていただいた上で、神社に足を運んで頂けたらと思います。
何より、日本の歴史に触れて頂く事で、日本文化も学べますし、神社といったものがより身近になるのではないかなと思います。

インタビュアー:最後に地域の皆様にメッセージをお願いいたします。

小松 正侑 禰宜:日本人には神様を信じる文化が根強く残っていると思います。
神社は我々日本人が後世に残していかなくてはならない日本文化の一つです。
素晴らしい日本文化を残すためにも、地域の氏子、崇敬者の皆様と一丸となって、高砂神社を後世に残していきたいと考えております。
また外国の方々と比べると日本人は自国の事を知らない方が多いと感じており、もの凄く勿体ないです。
皆様は日本が世界で一番長い歴史を持った国であることをご存じですか?
本当に素晴らしく世界に誇るべき国なので、ぜひ、日本のことをもっと知っていただけたらと思います。
神社に足を運んで頂けましたら、神職からもお話しをさせていただきますので、ご参拝はもちろんですが、ぜひ歴史を学ぶ場としても足を運んでいただけたらと思います。
そうやって地域の方々と関係性を築き、神社が皆様の”心の拠り所”になれると幸いでございます。

data 店舗情報

外観
店名
高砂神社
カテゴリ(業種)
神社
住所
兵庫県高砂市高砂町東宮町190
電話番号
079-442-0160
営業時間
9:00~17:00

担当したメンバー

渡邊

渡邊

watanabe

大学卒業後、ゴルフ好きが高じてゴルフウェアの接客販売を2年半経験しました。
接客販売の経験から人とコミュニケーションを取ることが好きであると気づき、インタビュアーの道を志し現在に至ります。
現在は株式会社トリニアスにて、マーケティングライターとしても活動しております。
代表者様からお伺いしたお話の中から背景をたどり、店舗様のストーリーや魅力を最大限に伝えるお手伝いをさせていただきたいと考えています。
読者にストーリーが伝わる文章の作成を心掛けています。皆様とお話しできる日を心より楽しみにしております。

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